はじめに
今回は、微分の定義についてわかりやすく解説します。
早速ですが、数学の教科書に載っている微分の定義を見てみましょう。
上の
における接線の傾き
は、
となる。
これを見て多くの人が、「微分は諦めよう」と思ったのではないでしょうか?
今回は、この公式を紐解いていきたいと思います。
早速ですが微分とは、
「変化具合を表したもの」です。
変化具合とは、 が
ずつ増えていく時に
がどのように増えるのか?ということです。
例えば、 なら
は
ずつ増えるし、
なら
は全く増えません。
では、 はどうなるでしょうか?というのが、今回の論点になります。
ではここから、グラフを見ながら具体的に見ていきましょう。
接線の問題はこちら
共通接線の問題はこちら
グラフを描く問題はこちら
グラフにより変化具合を見てみる
グラフによって変化具合が一定だったり一定でなかったりします。
では見ていきましょう。
変化具合が一定の場合
① の変化具合
のグラフと表を見てみると、変化は全くしていないことがわかります。
よって、変化具合は、 です。
② の変化具合
のグラフと表を見てみると、
が
ずつ増えていることがわかる。
よって、変化具合は、 です。
変化具合が変動する場合
③ の変化具合
のグラフと表を見てみると、
から
のとき、
の変化は
から
のとき、
の変化は
から
のとき、
の変化は
このように場所によって変化具合が異なることがわかります
そのため、
曲線の場合、別の方法での定義が必要です。
ここまでの変化具合を表したグラフの中でも で表された変化具合が重要です。
【 の変化具合について】
が
ずつ増えているので、変化具合は
です。
直線の場合の変化具合は、傾きと一致します。
つまり直線の場合は、
傾きを見れば変化具合がわかるということです。
曲線の変化具合を考える
曲線 の変化具合を調べるために、
点間の直線の傾きから考えていく。
2点間の直線の傾き
ここで、 を
に近づけていく。
近づけても、 点間の直線の傾きであることには変わりない。
さらに、 を
に限りなく近づけていく。
「ほぼ」1 点に接する直線の傾き
限りなく近づけても、 点間の直線の傾きであることには変わりがない。
しかし、これだと「限りなく」という意味合いが反映されていない。
そこで、 を
に限りなく近づけたことを表した式が、
である。
この式は、
「赤い点(接点)に接する青い直線(接線)の傾き」を表している。
まとめ
微分するとは、
「変化の具合を表すもの」でありグラフ上の変化の具合は、
「グラフ上の接点における接線の傾き」によって表される。
そして、その値は、
上の
における接線の傾き
は、
この公式により求められる。
変化具合を計算してみよう
例題) 上の
における変化具合(接線の傾き)を計算せよ。
定義より、
に
を代入する。
より
,
なので、
よって、
このように計算することは可能だが、計算が面倒なので実際に計算する時は、
以下の式を使いましょう。
よって、
(別解)
上の
における接線の傾きは、
おわりに
今回は、微分の定義についてわかりやすく解説しました。
いろんな単元の内容を習得している必要があります。
微分でなかなか理解できない場合は、
どの単元が足りていないのかを確認する機会にもなりますね。
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