はじめに
今回は、わかりやすい三角比の定義です。
三角形に当てはめた公式だけ覚えている人が非常に多いと思います。
三角形を使った定義だけだと、角度が を超える場合や三角関数(一般的に高校2年生に学習する)を扱う際に困ります。
今回は、三角形の定義を確認した後に、もっと拡張させた定義を解説していきます。
確実に教科書の定義よりわかりやすいと思いますので、最後までぜひ見てください。
三角比の定義
定義
直角三角形を用いた三角比の一般的な定義を確認しましょう。
こちらの定義は覚えている人も多いでしょう。
それぞれの式を変形した以下の式も覚えておくと良いでしょう。
<例題>
図の を求める問題の時、
より、
となる。よって、
このように変形した式も覚えておくと便利です。
三角形を用いた定義の問題点
次のような三角比はどう解くでしょうか?
三角形の定義に当てはめようとしても作ることができません。
左図のように、 を作ろうとすると、直角三角形を作れませんし、
右図のように、直角三角形を作ろうとすると、 を作れません。
このように、 が
を超える時に対応することが出来ないのです。
が
を超えても対応することができるように三角比の定義を拡張する必要があります。
三角比の定義の拡張
が
を超えた場合、つまり三角形で表すことができない場合を解決するのが、座標を用いた三角比の定義です。この定義をしっかりと押さえておけば、
のとき、
例題①) を解け
例題②) を解け
例題③) を解け
上記のような問題も、ただ解けるだけでなく100%理解した上で解くことができるようになります。
解説は下部にありますので、一度座標を用いた定義に目を通した上で、解説も見てみてください。
では、定義はこちらです。
定義
左図や右図のように、
が
や
を超えても対応可能となります。
また、半径 は常に正なので、
サイン、コサインは共に分子によって正負が決まります。
より
座標により、正負が決まります。
(左図では正、右図では負)
より
座標により、正負が決まります。
(左図でも右図でも負)
例題の解説
のとき、
例題①) を解け
例題②) を解け
例題③) を解け
例題①
の部分に動径を描く。
動径とは、図で言う青線のことです。
円と動径の交点から 軸に垂線を引く。
そうすると、,
,
の直角三角形が描ける。
,
,
の直角三角形なので、辺の比は
:
:
と描ける。
の定義は、
なので、
図を見ると、
例題②
より
(
は絶対に正 )
この情報を元に、図を描きます。
の直線を引く。
原点から と円の交点に動径を引く。
そうすると、 :
:
の三角形が描ける。
:
:
の三角形なので、図のように原点側の角度は、
となる。
赤い線が答えとなるので、
と
となる。
,
,
の部分を基準にすると、わかりやすい。
例題③
より
(
は絶対に正 )
の直線を引く。
原点から と円の交点に動径を引く。
そうすると、 :
:
の三角形が描ける。
:
:
の三角形なので、図のように原点側の角度は、
となる。
また、今回は不等式なのでさらに考えないといけないことがある。
を言い換えると、
より大きくなるような
を求める。さらに言い換えると、
(分母の は半径で、常に大きさが変わらないので、分子の
座標
に着目すれば良いので、)
が
より大きくなるような
を求める。
よって、緑の部分となる。
図より、
,
(,
)
おまけ(サイン0°とかコサイン0°とか)
座標を使った定義を使えば、
,
,
,
,
,
,
,
も容易に計算することができる。
サイン0°、コサイン0°
図より、
サイン90°、コサイン90°
図より、
サイン180°、コサイン180°
図より、
サイン270°、コサイン270°
図より、
おわりに
今回は、わかりやすい三角比の定義でした。
教科書だと、単位円(半径が必ず )を使って解いていきます。
しかし、今回紹介したように、半径を変動させることによって、
だいぶわかりやすくなります。
もっと詳しく教えてほしいという方は、
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いつでもお待ちしております。
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